司法書士の加陽麻里布です。
本日は何かと話題の地面師について書いていこうと思います。
地面師と聞いて思い浮かぶのは2017年にあった積水ハウスの地面師事件ですね。東京五反田の一等地に関して積水ハウスが63億円という途方もない金額をだまし取られました。
プロ中のプロともいえる積水ハウスが何故?というのが印象でした。
どの様な事件だったのか?司法書士は関係しているのか?について記載していきたいともいます。
まず、この事件の場所ですが五反田駅から徒歩で3分ほど木々が生い茂る600坪の旅館「海喜館」です。こちらは長年営業もされていなかったようです。
この土地は、駅近くのまとまった土地ということで、長年不動産業者からも何とか手に入れたい土地として有名だったようです。しかし、地主の方は、売る気はないと常々仰っていたようです。
そんな海喜館ですが、ある種の曰く付きの物件だったようですね。
そんな物件についてなぜ積水ハウスが騙されたのか?
地主の元女将(もちろん偽物)が積水ハウスの営業に本物件を売りたいということで持ち込んだところ、あれよあれよと、話しが進んでしまったようです。
役員陣も乗り気だったと言われており、後戻りはできない大企業文化も事件の歯池にあったかもしれませんね。
では、司法書士はどうだったのでしょうか?
非常に高額の取引ですので、司法書士も通常以上の責任をもって取り組むべき案件です。
今回の事件ではなりすまし役の地主と偽造されたパスポートが使われたと言われています。まず、本人を確認するために、様々な質問がなされたのかは疑問が残るところです。案件を進めたい積水ハウスとの板挟みで十分な本人確認ができなかった可能性もありますが、そういった場合でもプロとして経験に基づいて見抜く力を発揮してほしかったです。
現状、当該司法書士が処分されたという話はきいておりません。
司法書士が地面師の巨額詐欺を止めたとなればとても良いニュースですよね。
すでに、容疑者も逮捕されています。詐欺でとられたお金が返ってくることと、事件の全容解明を祈るばかりです。