司法書士の加陽麻里布です。
昨日は、コーポレートガバナンスコードについて記載させていただきました。
コーポレートガバナンスコードと似たものでスチュワードシップコードというものがありますので、今回はスチュワードシップコードについて記載したいと思います。
それにしても、何でも横文字が多いですね。普通はスチュワードシップコードと聞いても全く分からないのではないかと思ってしまいます。
では、スチュワードシップとは何か?
stewardshipを辞書で調べると他人から預かった財産の管理と出てきました。
スチュワードシップコード自体はコーポレートガバナンスの向上を目的とした機関投資家の行動規範と言われています。市場に参加している機関投資家の方々にも一定の規範を持っていただき、コーポレートガバナンスの向上、究極的には日本経済の発展に貢献していこうという話になります。
スチュワードシップコードは日本では2014年に金融庁が公表しておりますが、法的な拘束力は無いものの、GPIFや各大手信託銀行が採用するなど機関投資家に対する一つの指標として浸透してきています。
では、スチュワードシップコードの内容はどの様なものか見ていこうと思います。
日本版スチュワードシップコードでは機関投資家が果たすべき「スチュワードシップ責任」を明確にし、これを果たすにあたって有用と考えられる7つの原則を定めています。
七つの原則とは
(1)スチュワードシップ責任を果たすための明確な方針を策定し、これを公表すべき
(2)スチュワードシップ責任を果たす上で管理すべき利益相反について、明確な方針を策定し、これを公表すべき
(3)投資先企業の持続的成長に向けてスチュワードシップ責任を果たすため、当該企業の状況を的確に把握すべき
(4)投資先企業との建設的な「目的を持った対話」を通じて、投資先企業と認識の共有を図るとともに、問題の解決に努めるべき
(5)議決権の行使を行使結果の公表について明確な方針を持つとともに、議決権行使の方針については、単に形式的な判断基準にとどまるべきでなく、投資先企業の持続的成長に資するものとなるよう工夫すべき
(6)議決権の行使を含め、スチュワードシップ責任をどのようにして果たしているのかについて、原則として、顧客・受益者に対し定期的に報告を行うべき
(7)投資先企業の持続的成長に資するよう、投資先企業やその事業環境等に関する深い理解に基づき、当該企業との対話やスチュワードシップ活動に伴う判断を適切に行うための実力を備えるべき
どれもある意味当然ともいえる事のように思えますが、実際にこれらを実行するとなると大変なようにも思えます。
株主と企業の対話についてはコーポレートガバナンスコードでも出てきましたが、スチュワードシップコードでも記載がありますね。
モノ言う株主という言葉が良く聞かれますが、短期的な視点だけではなく、中長期の視点に立った企業価値の増加について考える必要があるというところもポイントだと思います。
スチュワードシップコードは一般投資家が議決権を行使するうえでも本来あるべき姿と言えます。株主として議決権を行使する時は機関投資家のみならず、我々一般人もしっかりと考えて投票したいものと思老いました。
あさなぎ司法書士事務所
司法書士 加陽まりの