司法書士の加陽麻里布です。
本日は2015年から会社法改正で認められるようになった制度である監査等委員会設置会社について記載します。
似たもので指名委員会等設置会社という形態もありますが、こちらもまたの機会に記載したいと思います。
従来は監査役が置かれることが多かった株式会社ですが、監査等委員会設置会社では監査役はおりません。その代わりに取締役の中に監査を行う者が置かれます。それが監査等委員になります。
監査等委員が取締役と同様に議決権を持つことでガバナンスを強化することが期待される制度と言えます。
従来の監査役は取締役会での議決権がありませんでしたので、議決権をもつ監査等委員はより、責任をもち、業務執行の取締役に対しても影響をもつ立場で監査ができると言えます。
監査等委員会は非業務執行の取締役3名以上で構成され、過半数は社外取締役である必要があります。また、常勤者はいなくても大丈夫となっております。
任期は2年で短縮することはできません。
上記のような監査等委員ですが、実務上はどの様な留意点があるのでしょうか?
①社外役員の人数
監査等委員会設置会社にすることで、社外役員の人数を減らすことができると言われます。これは、上場会社では社外取締役2名、社外監査役2名の計4名の社外役員が必要です。監査委員会等設置会社にすれば、社外役員が2名で足りるため、企業としては負担がへることになります。
②常勤者が不要
監査役会を設置した場合は1名は常勤である必要がありましたが、監査等委員会設置会社では常勤者が不要です。ちなみに、上場会社ではほとんどすべての会社が常勤者を置いています。
③会計監査人が必要
監査等委員会設置会社にした場合は会計監査人が必要になります。大会社以外で監査等委員会設置会社を検討する場合はその点が注意が必要です。
上場会社では監査等委員会設置会社の数が年々増えており、1000社を超えているといわれます。監査役制度に代わる一つのガバナンスの形が認知されつつあります。
監査等委員会設置会社についてのご相談もあさなぎ司法書士事務所へお気軽にどうぞ!