司法書士の加陽麻里布です。
新型コロナウイルスの影響で衣料品の老舗、レナウンが民事再生を申請しました。
負債額は138億円とのことです。
ここで、レナウンがどの様な会社か確認していきましょう。
1902年創業という同社の歴史は長く、その名前は昭和天皇が皇太子時代に欧州訪問をされたときに乗船された戦艦の名称だそうです。名声、栄光といった意味合いがあるようです。
バブル後の90年代にはアパレルメーカーとしては世界最大の売上を誇ったようです。
また、アクアスキュータムの買収など世界展開をしていました。
しかし、紳士服需要の減少もあり、次第に経営は悪化、2010年には中国企業の山東如意が筆頭株主となり、2013年には山東如意の親会社が増資を引き受け、同社の連結子会社となっていました。
しかし、2019年には山東如意への売掛金の回収が滞り巨額の損失を計上。その後、今回の新型コロナウイルスの影響で民事再生となりました。
ここで注目されるのは親会社グループであるはずの山東如意に対して損失計上されている点です。同社は中国のLVMHなどとも呼ばれ、次々とM&Aを実施し、急成長した企業です。しかしながら、ムーディーズの格下げがなされるなどデフォルトの懸念もあるようです。
中国企業が日本企業を買収する例は多いですが、買収後にしっかりとしたコミュニケーションのもと戦略をたてていかなければ今回のケースのようになっています。巨額の資金に飛びついでもゾンビ企業となるだけでは意味がありません。日本企業には目先の資金だけでなく、高い問題解決能力をもって経営に取り組んでももらいたいと感じました。