司法書士の加陽麻里布です。
本日は、企業の第三者委員会について記載したいと思います。
コーポレートガバナンスが叫ばれる昨今ですが、それでも企業の不祥事は止まりません。
典型的なものが、粉飾決算や資金の横領、株価操作などでしょうか。
東証が各社のリリースをまとめているTDnetを見ると第三者委員会が頻繁に蘇生されていることが分かると思います。
この第三者委員会、企業だけではなく、行政問題、政治家の不祥事などにも利用されています。
では、第三者委員会とはどの様なものなのでしょうか?
まず、第三者委員会は法令に基づくものではなく、企業などが任意(自主的に)設置するものであります。
企業で何か不祥事が起こった時に、自ら調査しても自己点検になり、信頼が保てないので、第三者に見てもらおうという趣旨です。
ここで重要なのは第三者性です。その企業等から独立の立場にある必要があります。すなわち、取引先や顧問弁護士などでは第三者とは言えず調査に信頼性がありません。普段から付き合いがある人にとっては情が入って調査も緩くなる可能性があります。また、そうでなくても、調査が緩いのではと疑われてしまいます。
では、実際には第三者委員会はどの様に蘇生されるのでしょう?一定の指針が2010年に日弁連から第三者委員会のガイドラインという形で発表されています。
その中で第三者委員会の委員は3名以上を原則とし、弁護士以外では会計士、学者、ジャーナリストなど事案に応じて適切に選任することが重要であるとされ、調査の方法、報告、報酬、官公庁とのコミュニケーションなど多くのことが定められております。
現在、上場企業で行われる第三者委員会のほとんどは日弁連のガイドラインに沿う形で蘇生されていると言えるでしょう。
第三者委員会の委員となったものは誠実に、中立的な立場から事案を裁いていく必要があります。
企業不祥事が多い時代ですが、いざ不祥事が起こった時にどの様に対応するかが大切です。うまく、第三者委員会等で事案を解決し再スタートへの道筋をつけることが重要と思います。
企業不祥事についてのご相談も㈱あさなぎコンサルティングでは随時受け付けておりますので、お気軽にご相談ください。